Christian Journal

福音主義・キリスト教民主主義に立脚する日刊ブログ

虚構の不偏不党、テレビと新聞を一緒にしないで!

">社会運動に熱心な教会指導者の中には高市総務相の停波発言について、強く反発される方もいらっしゃり、新聞を始めとする他のメディアの偏向等に話題を広げる方がネット上で散見されたので、誤解が広がらないように、基本的なことについて触れておきます。それは、テレビと新聞での不偏不党はその要請される度合いが全然違うということです。テレビ放送は放送法で「不偏不党」であることが法律で定められています。社民・共産党よりの報道をしてもいけないし、自民党寄りの報道ばっかりもしてはいけないわけです。特に選挙期間中はどんなミニ政党でも一政党として公平に扱って報道したり、多少差をつけるにしても議席数に応じて若干追加時間を比例按分したりして、かなり厳格に公平中立であるようにしています。また、放送時間は秒単位で調整するし、注目選挙区のニュースが放送される時もニュースの最後に「○○県第○選挙区には他に、●●候補、××候補が立候補しています」といって、絶対当選するはずのない泡沫候補でも必ず言及します。なぜここまで厳格に不偏不党にこだわるのかというとそれは電波というのは周波数帯が決まっていて資源が有限だからなのです。デジタル放送になって幾分多チャンネル化しましたが、それでも数に制限があり、時間にも制限があります。ですからどれかをひいきすると、結果として他のものが冷遇され放送時間が減らされてしまうため、放送は監督官庁たる総務省が免許制にしているのです。

また、そのからみで宗教放送局の設立が日本では禁止しています。みなさんの中でも聞いてる方が多くいるであろう、ラジオFEBCの中継局が日本国内にはなく、韓国の済州島から放送されているのも電波の公共性、公平性のためです"> 対して新聞はどうでしょう?我が国は報道の自由が担保されているので、好きなだけ偏って構わないのです。キリスト新聞がキリスト教に偏らないでどうするのでしょう?聖教新聞創価学会に偏らないでどうするのでしょう?赤旗共産党にびいきにならないでどうするのでしょうか?新聞は読者が好きな新聞を買って読むことができ、編集者が詳しく読者に伝えたいのであれば、偏った情報を好きなだけページを割いて、なんならページ数を無制限に増やして偏った情報を与えることができる媒体です。そうしても、決して他紙の他の紙面を圧迫することにもなりません。ですから、新聞は逆に特定政党や特定宗教に偏った新聞を出版する自由があります。また偏っているからという理由で発禁処分には絶対になりませんししてもいけません。産経が大いに右に傾き、朝日が大いに左に傾いて、オリジナリティあふれる社説を書いて、互いにぶつかって議論を戦わせればそれで良いのです。それが多様な意見があることを許す、自由社会である日本の矜持であり、隣国の独裁国家と違う最大の違いなのですから・・・。 />ただ、日本の場合、不偏不党なんていうものは本来存在しないのに、大手新聞がどこも、できもしないし、する気もないのに「不偏不党」を法律とは別に倫理基準として謳っていることがややこしいのです。本当に不偏不党で公正な報道がなされるのなら新聞は一紙でいいわけですから・・・。リンク先の「日本と欧米などでの報道受信の違い」をご参照頂ければ幸いです。
 そういうわけで、新聞とテレビとは同じマスコミですが全く扱いが違うということをご理解頂ければ幸いです。日本と欧米などでの報道受信の違い